Ⓒランページ
8、念には念を。




キミの初恋は、僕は覚えてないけど、きっと素敵なものだったんだろうね。


でもキミは今、それよりもさらに素敵な恋をしようとしている。部活が同じで、クラスが同じで、何となく連絡をとるようになって、何となく付き合うみたいな、そんなオーソドックスな恋愛じゃない。


変わった恋愛をしようとしている。それが更に女性の中にある、なんとも言えない心、乙女心ってやつをくすぐるんじゃないだろうか。正直、僕には皆目理解できないけどね。


とにかくキミは、あの男と付き合うことになった。面白いと思った次の瞬間には、もう恋に落ちていた。いや、実際はもうすでに恋に落ちていて、でも、ダメダメ。どうせ叶うわけがないのだから、諦めなければと崖を登っているところに、大きな岩を落とされ、トドメを刺されただけなのかもしれない。こういう時、女性は驚くほど単純だと思う。そして、付き合い始めてからそのことに気付いて、無理矢理悩みを捻り出しているんじゃないか。


だから、女性の恋愛の悩みは、しょーもない。でもそれを男に言われても、女性は「乙女心がわかっていない!」と首を横に振っていればいい。男はそれ以上何も言えなくなる単純な生き物なのだから。



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