Ⓒランページ
妄想し終わったキミは、口を開いた。
「結婚してる」
「結婚ね。まあいいわ。そこまでの想像ができていれば十分。さて、ここから。あなたが想像した中で一番今に近い想像は何?」
「今に?」
「そう、今に。急に結婚までいったわけじゃないでしょ? 結婚に至るまでの過程も想像したはずよ? 例えばそうねえ、プロポーズとか、デートとか」
キミは遡る。パソコンの画面から溢れんばかりの妄想が、削除キーを長押ししたみたいに消えていく。
そして残った1文。キミは口を開く。
「彼と会うこと」