Ⓒランページ




「それで、晩御飯はどうする?」


とキミに聞くと、キミは「そうですねえ……何でもいいですよ!」と答えた。なんでもいいが一番困る。力も使えないこの状況では。不便だ。力があっても、これでは不便。おかげで無駄なラリーをしなければならない。


「何か食べたいものはある?」


と聞くと、キミは「うーん」と少し考えて、「今は思いつかないですかね」と言った。やっぱりだと僕は思った。聞かなきゃよかった。


「あ、でも食べに行くのはちょっと……」


「どうして?」


「明日もありますし……」


「なるほどね。今日は早めに寝たほうがいいもんね」


「うーん、それもありますけど、その、お金が」


「なんだ、そんなこと。大丈夫。出すよ」


「そんな、悪いです!」


「いいんだよ。こう見えても社会人だからね。高校生は大人に奢ってもらっていればいい」


とは言った僕だけど、正直金銭的余裕は常になかった。ただやはり見栄というくだらないものが邪魔をする。こんな奴に奢ってやりたくなんかない。でも呼び出したのは僕だ。キミは気づいていないけれど。



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