彼と彼女の甘い秘めごと
【Sweet*3】
▼ほろ苦い、感情
「紗和ちゃん!放送で呼ばれてたけど何かあったの?」
「茶道部の先生が退院してね、学校に来てくれてたの」
「そうなんだ、良かったねっ」
「うん。お元気そうだった」
ちゃんと笑えていたのか、分からなかった。
…横田先生に会えたのに。
今だってひなが駆け寄って来てくれたのに。
何事も無かったかのように、伊織が教室という同じ空間に居ることが
辛くて苦しくてたまらなかった。
「ひなー、ちょっと来て―」
「あ、はーいっ」