極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛

「ナツ君てテレビの中でも包み隠さないタイプみたいね。やばい、匠に会いたくなってきた」



「お姉ちゃんそれ、匠君に今すぐキスしたいって言ってるのと同じだよ。恥ずかしくないの?」



こっちが照れてしまうからやめて欲しい。



「あ、もしもし匠。おはよ、起きてた? うん、今日も愛してるよ~」



私の話は無視されて、もう彼氏と電話してる。日本人とは思えないお姉ちゃんの愛情表現。ちょっと。いやかなり、素敵だと思う。



私もそうできていたら、未来は変わってたのかな。
不甲斐ないことに、実はまだ過去を振り返ってばっかりだったりする。



さっきは麻凛ちゃんとのキスシーンを見て傷ついたこと思い出してしまった。


キスシーンに慣れてみせる、って頑張ってた自分を振り返ってしまった。



あの夜、ほんとのキスを教えてあげるって唐突にキスされたことも、全部昨日のことみたいに鮮明に。



だってナツ君がほんとのことを言うからだよ。
後先なんか考えない。
全然待ってくれない。



恋しくてたまらなくなるだけなのに、ナツ君のキスはいつもそんなだったって、思い出してしまった。


映画やドラマや雑誌を見る度、ナツ君がどこよりも遠い星に行っちゃったことを実感して、彼に触れられる世界なんてもうどこにもないんだって思い知らされる。


当たり前に感じていたこの前までの日常が、奇跡だったって気づくのが遅すぎた。


< 268 / 358 >

この作品をシェア

pagetop