総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 ぎゅっと、結構な力で握られている手を見つめる。

 やっぱり……風邪で、心細かったのかな……?

 子供のように手を握っている姿は、なんだか微笑ましい。

 でも……このままじゃ動けないっ……。

 起こさないようにそっと離そうとしたけど、逆にそれを拒むように力が込められた。

 起きてるのかな? と思うくらい、強く握られてしまう。

 うう……かわいそうだけど、看病もしたいし、ゼリーとかいろいろ買いに行きたいし……。

 心を鬼にして、私は無理やりその手を離した。

 会長さんの眉間に、ぎゅっとシワが寄る。

 起こしてしまったかな……? と心配になったけど、起きる気配はなさそうで、ほっと胸を撫で下ろした。

 よし、今のうちにっ……。

 そっと枕元から氷枕を抜いて、額においたタオルも取る。

 冷やし直している間に、必要なものを買いに行こうと財布を手に部屋を出た。




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