総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 目を細めて、相手の顔を確認した。

 意図的にボス格の人は残したから、今後目をつけられるように顔を記憶する。

 見たことない顔だ……まあ、マンモス校だし、まだ入ったばかりだから知っている顔のほうが少ないか。



「お前、西園寺じゃねーな……! 誰だ……!」



 さすがにこの距離で、相手も気づいたらしい。



「誰だっていいでしょう?」



 私の顔を覚えられるわけにはいかないので、すぐに片をつけないと。

 相手の拳が飛んできて、片手で止める。

 攻撃がいちいち荒いなぁ……。

 適当にケンカして適当に強くなった戦い方だ。

 きっとこんなんじゃ、蓮さんは倒せないんじゃないかな。

 蓮さんがどれだけ強いか、私は知らないけど……。この人たちならきっと、睨まれただけで腰を抜かしそう。

 そんなことを考えながら、鳩尾に膝を入れた。

 後ろからももうひとりが攻撃を入れてきたので、避けて背中を叩く。


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