あなたと・・

潜在意識②


亮が、塁をつれてきたが
蒼は、目を覚ますことはなかった。

残念がる塁に
「また、明日来ような。」
と、言うと
「うん。
こうちゃん、ママに今日きた事
話しておいてね。」
「ああ。さみしがって泣いてた
と、言っといてやる。」
「泣いてないから、ねぇ、亮ちゃん。」
「浩介さん、塁を
いじめないでくださいよ。」
と、言われて
笑いながら蒼の病室を後にした。



夜遅くになって
蒼は、目を覚ました。

病室内には、誰もいなかった。

すると、ちょうど師長さんが
やってきて、容態を確認してくれて
痛み止めを投与してもらった。

師長が、病室から出て行き
少しすると蒼は寝てしまった。


すると、ドアが開き
コツ・・コツ・・・

蒼の手首を触り
脈拍を見ながら
蒼の顔を覗いているのは、須藤

すると、蒼がいきなり
ベッドに座り
須藤は、びっくりして
後ろに下がる

『 また、お前か 』
と、蒼が目を閉じたままいった?

あの日の・・あの声だ。

「あっ、あなたは、松田さんの
なんですか?」
と、須藤が蒼?に向かって言うと
『 私は、蒼であって
    蒼では・・ない。 』
「だから・・あなたは、いったい?」

と、訊ねる俺に

『蒼が望むのは、お前ではない。』
と、返事ではない事を言われ
更に、わかっていることを言われて
「中津川さん・・だと言いたいのですか?」
と、声を荒げると
『ふっ、お前では、ダメだ。』
と、告げると松田さんの体は
ベッドに横たわった。

須藤は、蒼の脈拍を確認して
蒼の病室を離れた。

今の出来事が、現実なのか
わからない・・が・・・・

くそっ、なんなんだ、いったい!!

だが、あいつは・・・・

全てが・・わかって
いるのだろうか・・・・・



〝 お前では、ダメだ ”
の、声が、いつまでも
頭の中で、うごめいていた。
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