あなたと・・

その夜、塁と亮と俺は、
蒼の手料理をごちそうになった。

「浩介さんの料理も美味しいけど
蒼さんの料理は、女性らしい
優しさがありますね。」
「ああ、美味しいな。」
と、亮と俺が言うと
「こうちゃんのも
ママのも、美味しいよ。」
と、塁が言う
「じゃ、今度
浩介さんの作る料理
食べさせて下さいね。」
と、蒼が言い

いつにするとか?
何にするとか?
話をしながら沢山食べた。

食べ終わると
亮が帰って行き。

塁が、
「こうちゃんと一緒にお風呂に入る。」
と、言うから
蒼が、着替えを取りに行き
その間に、浩介と塁は
一緒に風呂入った。

寝る時間になり
塁は、
ママと一緒は嬉しいが、
浩介がいない事に
しぶしぶ部屋に戻って行った。

浩介は、なんかあったら、
なんでも、電話するんだと
蒼にも塁にも伝えた。

もちろん、鍵も渡している。
蒼達の部屋の鍵も
浩介は、持っている・・・

浩介は、久しぶりの一人に
落ち着かなくて
ビールを飲んで

そろそろベッドに
入ろう・・・・・

・・・でんわ・・・?・・

「あおい?」
「はい、すみません。浩介さん。」
「大丈夫だ。どうした?」
「・・・・えっ・・と、塁が・・・」
「塁?部屋にいく。鍵あけるぞ。」
「はい。」
俺は、部屋着だが
そのまま、隣へ・・入ると・・・

エーン・・・・エーンっ・・・

塁の・・・声・・・

ここのとこ、なかったのだが・・・・

部屋に入ると
不安そうな、蒼がいて
俺は、蒼の肩をポンポンとして
塁の部屋へ・・・
蒼が添い寝をしたのだろう後が・・・

俺は、塁を抱き上げて
自分の膝の上に置いて
背中をポンポンとリズミカル擦り
「塁、大丈夫、大丈夫だ。
俺は、ここにいる。」
と、声をかけると少しして
スー、スーッと、寝息が
聞こえてきた。

俺は、暫く塁を抱きしめる。

蒼は、塁が落ち着くと
ホッとした顔をして
「ありがとうございます。
ずっと、あの状態で
目を開けずに泣くので‥‥‥‥
私は・・・・・」
「お前は、立派な塁の母親だ。
心配ない。」
母親失格だと言うつもりだったの
だろうが・・・
そんなことは・・・・ない。

俺は、
「蒼、俺の部屋に行こう。」
と、言い
塁をタオルケットに包み抱き上げた。

蒼は、上着をきて
鍵を閉めてから
俺に、ついてきた。

部屋に戻り
ソファーに塁を抱いたまま
座ると蒼も横に腰かけた。
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