極上パイロットが愛妻にご所望です
 今日は水曜日の平日。

 車に乗って朝陽が向かった先は築(つき)地(じ)だった。

 空はどんよりとした曇り空で、それがさらに眠気に誘われる。

 眠らないように、窓の外を眺めると、オフィスへ向かうサラリーマンやOLの姿があった。

 私たちは休日。視線を彼らに向け、この時間に朝陽と一緒にいられる幸せをひしひしと感じていた。

 近くの路上パーキングに車を停めた朝陽は、築地場外にある新鮮な海鮮丼を食べさせてくれる店へ案内してくれた。

 時刻はもうすぐ九時。すでに築地場外は観光客などが、美味しい朝食を求めて賑わっている。

 私たちは朝から贅沢に、豪華な海鮮が盛りだくさんの丼をオーダーした。

 新鮮で美味しい海鮮丼に舌鼓を打ち、店を出るとランチ用にカフェのサンドイッチやスイーツを食べきれないほど買って、朝陽のマンションへ戻ってきた。

 ほんの一時間ほどの外出だった。

 部屋に戻るなり、朝陽は私を求め、ベッドへ連れていかれ、翻弄される時間が始まった。


< 131 / 276 >

この作品をシェア

pagetop