極上パイロットが愛妻にご所望です
「砂羽?」

 瞳を逸らさずに問われる。

「好き……実は……ときどき見かける桜宮さんを目で追わずにはいられなかったの」

 次の瞬間、私はギュッと抱きしめられていた。

「よかった。俺と同じ気持ちで」

 そう呟いた桜宮さんは私の額に口づけを落とした。

 えっ……。

 そこだけ燃えるように熱く感じる。戸惑い、俯き加減の私の顎がすくい取られ、唇にキスが落とされた。

 唇にキスをされたことがびっくりで、目を閉じるどころか大きく見開いてしまう私に、桜宮さんは美麗な笑みを浮かべる。余裕の表情だ。慣れているのだろうと思って、胸がズキッと痛む。

「砂羽の心臓がもちそうもないから、今日はこれでやめておく。おやすみ」

 桜宮さんはもう一度、額に唇を落としてから私を手放した。

 もう、まともに彼が見られない……。

「行って。じゃないと、このまま連れて帰りたくなるから」

「は、はい」

 私はオイルの切れたロボットみたみたいギクシャクした動きで、桜宮さんから離れてマンションへ向かった。

 マンションの中へ入る前に振り返って見ると、彼は車の横で軽く手を振った。

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