旅の終わり
険しい険しい道を抜けると

美しい花畑がありました

虹の橋がかる。そこはこの世ならざるトコロ。

旅人は抱えていた全てのものから解放されました。


そして


─会いたかった

現し世で離れ離れになり面影をずっと追いかけてきた。


─ぼくもだよ

旅人の想いに答えるように1つの魂が寄り添います

─ごめんな。寂しかったろう?

旅人は優しく魂を包みます

─うん。少しね。でも、君がぼくをずっと思ってた。だから、そんなに寂しくなかったよ。それに、また会えるって信じてたから

あたたかい声に胸が一杯になった旅人はそうかと答えるしかできません。

魂は語ります

─君のほうが寂しそうだった。聞こえてたよ。ぼくを呼ぶ声。ごめんね。答えられなくて。でもね。ずっと、ずっと君も信じてくれた。また会えるって。だからぼくたちは、また会えたんだよ。


魂の声に旅人は声もなく涙を流します。

─じゃあ、これからはずっと一緒だ。そうだろう?ようやく、ようやく会えたんだから

─うん。これからはずっと一緒だよ

魂の声にせきを切ったように思いがあふれる旅人


─会いたかった。寂しかった。苦しかった。ずっと、ずっと会いたかった

旅人を包む小さくて大きな魂

─大丈夫。これからはずっと、ずっと一緒だよ。お疲れさま。ゆっくり休もう。
もうぼくらはひとりじゃないよ
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