探偵I(タンテイアイ)【第2巻】
渡辺 紗永様……。
「紗永──。まさか……・……!?」
心臓がドクンドクンと打つのを胸の辺りで強く感じる。
形相が変わる泰平。
もしかして、あの……渡辺 紗永なのか、俺の知っている……。
この部屋の住人は、渡辺 紗永の部屋なんだろうかと、部屋のあちこちを見ながら慌てる泰平。
いや、いや……、もしかしたら、違うかもしれない。
もしかしたら、……渡辺 紗永の知人の部屋かもしれない。
泰平が必死に冷静を取り戻そうとする。
だっ、……だめだ。
ゆっくりと後退りをして、帰ろうとする泰平。