鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする



 「………あなたの目的は私………なの?」
 「えぇ。ずっとあなたの事しか考えていませんでした。いつか魔女になるのを楽しみにしていたのですよ」
 「魔女になった方が魔力が増えるから?」
 「その通りです。しっかりと勉強してるんですね」


 カツカツとヒールを鳴らし、空澄に近づく。 そして、冷たい指で空澄の頬に触れた。


 「ですが、あなたは違う男に魔力を渡していますね?それは許せません。………私にもいたはだけますか?」


 そう言うと、小檜山は綺麗な顔を空澄に寄せた。すると一気に空澄の回りの空気が凍ったように冷たくなったように感じた。キスをされる。そう思った瞬間、空澄は手をあげた。彼の体を押そうと思った。が、それは敵わなかった。

 「っっ!!………何………?」


 突然動かなくなった腕を見ると、手首が氷の手錠のようになり、氷の床にピッタリとくっついていた。強く押しても全く動かない。
 ならば呪文を、と思った瞬間に冷たい感触を唇に感じる。


 「魔法を使ってはダメです。口も凍らせてしまいますよ。…………まぁ、今はいいです。これから夫婦になって毎日あなたの魔力をいただく事になるのですから」
 「何を勝手にっっ!!」




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