凪いだ青を待ってる
「ふー、あっちー」
「お疲れ様です。ドリンクです」
「ちさきー、テーピング借りてもいいー?」
「っなに!?どっか痛い!?」
「ふはっ、違う。はがれたから巻き直す」
「びっくりした…。そこ座って、巻く」
「あざーす」
準決勝を勝利し、一度控え室へ戻って。
各々が身体を休めたり談笑を楽しみながら決勝に備える。みんなリラックスしているようで、笑顔も見られていた。
「第2コート準決勝終わりました!」
「お、どっち勝った?」
「っ、糸島大付属です…!」
その言葉を聞いた瞬間、みんなの瞳に確かな火が宿る。
「…来たな、南雲」
彼もそう。
穏やかな中に、紛れもない情炎を纏って
――…にやりと笑って、呟いた。