凪いだ青を待ってる



本当に、彼の好きなところを挙げればきりがない。お昼に沙絵ちゃんと過ごしていた時も思ったけれど。

色々考えたって結局思うことはひとつで、毎回同じ答えに辿り着く。



青葉先輩の、すべてがすき。



性格や考え方はもちろん、バレーに対する向き合い方。プレー。

好きで、好きで、たまらない。どうしようもないほどに。



――…でも、この気持ちが通じたらなんてことも、全く思っていない。


彼はバレーをするために立花に来た。わたしもバレーに関わりたくて立花に来た。

だから、目の前のことを全力でやるだけなのだ。



…ひそかに想っているだけで、十分すぎるくらいしあわせ。

…ひそかに姿を見ているだけで、十分すぎるくらいしあわせ。



芽吹くことのない、咲くこともない、それでいいこの想いは

わたしの心の中だけで大切に、水をやっていこう――…。

< 28 / 232 >

この作品をシェア

pagetop