凪いだ青を待ってる
本当に、彼の好きなところを挙げればきりがない。お昼に沙絵ちゃんと過ごしていた時も思ったけれど。
色々考えたって結局思うことはひとつで、毎回同じ答えに辿り着く。
青葉先輩の、すべてがすき。
性格や考え方はもちろん、バレーに対する向き合い方。プレー。
好きで、好きで、たまらない。どうしようもないほどに。
――…でも、この気持ちが通じたらなんてことも、全く思っていない。
彼はバレーをするために立花に来た。わたしもバレーに関わりたくて立花に来た。
だから、目の前のことを全力でやるだけなのだ。
…ひそかに想っているだけで、十分すぎるくらいしあわせ。
…ひそかに姿を見ているだけで、十分すぎるくらいしあわせ。
芽吹くことのない、咲くこともない、それでいいこの想いは
わたしの心の中だけで大切に、水をやっていこう――…。