凪いだ青を待ってる
「はい!」
わいわいと教室に戻っていく波に乗ろうとすると
理央先輩に手招きをされて引き留められる。
「隼人とも相談したんだけどさ、一応、お見舞いやっぱり行くべきじゃないかって話になって。青葉はいいって言ったけど…やっぱり欠かせない存在だしね」
「っ、本当ですか!」
「全員で押しかけるのはアレだから、代表して俺とちさきで土曜日の部活後にどうかなって」
「でも…隼人先輩と理央先輩のおふたりじゃなくていいんですか…?」
「むさくるしいのが揃って行くより、ちさきが来てくれたほうが青葉も喜ぶと思うんだよ。俺と理央は家も近所だからいつでも会えるしな」
そう言って先輩たちは笑っていた。
だからわたしも、つられて笑った。
「青葉の好きなエクレア買っていこうかな」
「あいつ見かけによらず甘党だもんなー」
きっと大丈夫。彼の親友であり大切な仲間である彼らは、心からそう思わせてくれた。