恋叶うオフィス
「ありがとうございます! 渡瀬さん、優しいから絶対いただけるとひそかに思っていました。これ、新作ですよね?」

「うん。……あ、おいしいね」

「はい!」


コンビニで発売される新作のチョコを、私がいつもチェックしているのを武藤は知っていて、たまに買ってきてくれる。

いつもと変わらない優しさだけど、いつもよりも特別な感じがして、心がじんわりと温かくなった。


頑なに隠すつもりはないけど、周囲には気付かれないようにと慎重にしていたのに……宇野くんの爆弾発言にやられることとなる。


「よお、渡瀬。今日はこっちの都合で変えちゃって、申し訳ない」

「ううん、大丈夫だよ。早くに終わったのね?」

「おう。持っていくのあったら、手伝うよ」

「昼休み終わってから、持っていったからもうないよ。ありがとう」


宇野くんは、打ち合わせ予定時刻よりも早くに顔を見せた。直接会議室に行ってくれたらいいのに、こちらに顔を出す彼も同期として優しくしてくれるからだろう。

宇野くんが早くに来たなら、先に行こうかとパソコンを持つ。
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