あなたに恋をする〜happiness〜
「花宮さん………?」

「ごめんね、羽山君?私………いかないと」

ここで止まってちゃダメだ。
私は羽山君のそばから離れた。
そしてゆっくりとステージに向かって歩いていく。
ステージの前で止まると、メンバーが私に笑って言った。

「また一緒にアイドルやったくれる?」

そういって差し出された手。
皆は………こんな私を待っていたんだ。
勝手にやめた私を。
まだ………センターとして。

「………考えさせてくれる?今日は参加する」

私は必死で感情を押し殺した。
そして差し出された手をつかんだ。

「わかった。よろしくね、レンレン」

私はステージの上に上がった。
そして………メンバーから振り付けや歌詞を聞いた。
始まるのと同時にアイドル時代の記憶がよみがえってきた。
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