君に「I Love You」と伝えたくて
『可愛い!Thank you(ありがとう)!!』

私は雅彦に返信をすると、そのイラストを表紙に設定した。

雅彦の絵の描き方っていうのかな?本当に、好きなんだよね。絵のことは良く分からないんだけど、柔らかい感じの絵なんだ。背景が、いい感じを出してる。

私はその絵を眺め、小説を書き始めた。今回、私が書くのは、いじめにあった女の子が幼なじみに救われる話。

私は、次々と言葉を繋いでいった。書いている瞬間が、一番楽しいんだ。



翌日、教室に入ると、雅彦はスケッチブックを机の上に出して、突っ伏していた。私は、荷物を片付けたあとに雅彦に近づいた。

「雅彦、おはよう。何してるの?」

私が問いかけると、雅彦は「おはよう。今、ラフ描いてるとこ」と顔を上げる。

……ラフ?ラフって何?

雅彦は、握っていたシャーペンを動かし始めた。髪とか瞳とかを描き込んでる。線は綺麗だけど、動きは速い。

「……咲、落書きする?」

ふと雅彦が顔を上げ、微笑んだ。私は「したい!」と言い、勝手に雅彦の筆箱を漁って、シャーペンを取り出す。

「Thank you」

私は、そう言って落書きを始めた。
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