華麗なる人生に暗雲はつきもの




「今回、おばさんが味方だと思うなよ。一番お前に怒っているのは、おばさんだと思うぞ」



「は?」



 どう考えても、日頃から俺に唯一甘い、味方。



「俺の両親とおじさんたちが結婚したのは同時期。でも、俺と小春は歳の差が七つある。意味がわかるか?」



「何となく」



「おばさんが子供ができないこと相当に気に病んでてな、もう無理かと思った矢先に生れたのは小春」



「………………」



「小春が可愛くて仕方ないけど厳しく育てた。俺たちがあまりに甘やかしていたせいのほうが大きいかもしれないが」



「………………」



「お前のことを気に入ったのも顔が理由じゃない。……たぶん。たぶんな。」



 そうだ、その通りだ、と奮い立たせるように首を振り、咳ばらいをして威厳を取り戻そうとする仁。



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