蝶の親指。弦音は鳴る。
よくみれば切れ目、顔はショッとしていて、
鼻はたかい。

そして、スタイルがとにかくいい。

「なに、なんか用事?」

いや、別に...と葵ちゃんの影に隠れる。

「それ、隠れきれてないから」

葵ちゃんがぶすっとする。

「ちびじゃないしー」

口をとんがらせてむーという。

美波と莉乃が口を揃えて、可愛いという。

えへへと頬を赤らめてわらう。

天使だ。

「私も的前上がりたいなー」

「莉乃はいける。可愛いもん」

「いや、美波ちゃんもね?」

「いや、葵もね?」

この会話を毎日続けている。

私も的前にいくまでは、こんな会話を続けてきた。

少し巻藁に戻りたくなったりする。

まだ的前にあがっている1年生は少ないので、

先輩方にずっと、囲まれていて肩身が狭い。

これからは目黒がいるから大丈夫だけど。

「みんなおいで!まってる!」

「「「うん!まってて」」」
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