一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「千香子さん、ご無沙汰しており・・・」


「あなたのことは、親友の万智子さんから頼まれて、仕方なく風太郎さんに頼んであげたのよ。それは仕事をしてもらうためであって、妊婦にマタハラさせるためではありません」

言い切った千香子は、前髪を右手で払った。

゛なりきっている、お義母さん、なりきってしまっている・・・゛

萌音は両手を組んで、崇めるように千香子を見つめた。

「萌音ちゃんは私の大切な娘よ。娘を馬鹿にされて黙っている親はいません」

「ですが、千香子さんの名字は流川ではなく、高橋ですよね?もしかして生き別れの子供とか・・・」

゛生き別れ・・・゛

そう言えば、この間、そんな内容のドラマを千香子さんと見たなあ・・・と萌音は思った。

゛それより、ん?高橋?゛

それは千香子の旧姓ではなかったか?と萌音は首を傾げた。

設計課の面々も同じ方向に首を傾げているのが面白い。

萌音は益々この状況に目が離せなくなった。
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