俺様御曹司の専属メイドになりました
響のお父さんはコーヒーを飲み直した。

「あいつが社長になるためにも、嫁を迎えなければならない。そのために芹沢さんを呼んだんだ」

え?

借金返済のために売られたんじゃないの?

「芹沢さんのお父様と話して思ったんだ。この人はお人好しだってね。そんな彼に娘さんがいると聞いて閃いた。娘さんを響のメイドにしようと」

父さんってお人好しなの?

単なる騙されやすい人なんじゃないの?

「………他の人を雇おうとか思わなかったんですか?」

貧乏で借金まみれの奴より、ずっと素晴らしい人はいると思うんだけど。

「絶対、芹沢さんじゃなきゃダメだったよ。響の女嫌いは凄まじいからね」

女嫌いにしてはドキドキさせてくるよね。

「だからこの通り、響の専属メイドで居てくれないか?」

仕方ないなぁ。

あいつのために専属メイド、やってやろうじゃない!

「はい!」
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