皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
アリスがセレスティーナのように罪を犯すならば、俺はきっとアリスのことも切り捨てる。



だけど、アリスはそんな女ではないと思うから。



「お前は自分のことを考えるべき」

「私のこと…?」

「結婚式での衣装合わせ、招待客の名前と顔を覚える。正妃としての仕事内容を勉強する」

「衣装合わせは、殿下の都合もありますし。招待客の方は大丈夫です。前に式典でお会いした方もたくさんいらっしゃるようですし」



正妃としての仕事は、あまりないのだけどな。



ムダを省くことが好きな父上が、面倒ごとをなくしてきたのだ。



「母上に習うといい」

「緊張します…」

「そういうタイプではないだろう?母上は基本的に誰にでも分け隔てないし、あまり怒るような人間でもない」



田舎の小国出身の母上は、ガチガチのお姫様ってわけでもなかったようだし。



どちらかといえば、行動派で楽しいことが好きな人。



俺や妹たちの誕生日なんかに、母上自らケーキを焼いたりもしていた。



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