皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
身柄の解放と自由を与える代わりに、俺を殺せという条件のもと、先日の暴動に至った。



「バルジャでやったら、即戦争になるから…シュナウトに入ってからやった…」

「その証拠はあるのか?」

「ねぇよ。口約束で、なんの保証も証拠もねぇ…。ウソだと思うなら…殺してくれ…。俺がこれを言ったら、どうせ帝国同士で戦争になるんだろ?だけど…どうだっていい…死ぬなら…もう、なんでもいい」

「なぜ、俺を殺せと?」

「知るかよ…。そんなこと、俺たちには関係ないし、聞く理由もない」



そうだろうな。



まぁ、予想通りということか。



それにしても、なぜ今になって…。



「あんた、死ななかったんだな」

「残念ながら」

「まぁ、あんたが生きてようが、死んでようが…俺にはもう関係ねぇ」

「お前がバルジャの者だと証明できるものはあるか?」

「俺は獣人でもなければ、普通の人間だ。今回の計画に参加した囚人たちも、みんな普通の人間。獣人やハーフが多いバルジャ人は関わってねぇよ」



そこは頭を使ったのだろうけど、ムダだな。



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