皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
箱が開けられた。



ひたすら寝たフリ。



「まだ目ぇ覚めねぇな」

「騒がれたら面倒だ。このままでいいだろう」

「見ろよ、この白い肌…」

「皇子って羨ましいな、選び放題で」

「あぁ、たまんねぇ」



髪を一束掴まれ、匂いを嗅がれている。



気持ち悪い…。



それにやっぱり、怖いっ‼︎



ヒナは大丈夫なの?



誰かにすぐに見つけてもらえた?



命があれば、絶対皇后様が助けてくれると信じている。



お願いだから、生きててね…。



箱が閉められ、ホッとして。



それからも、私は暗闇の中。



できるだけ静かに、動かないように…。



「おっ、起きたじゃねぇか」

「…………」

「死なれちゃ困るからな。食え」

「いりません…」

「あ?お前、俺らに逆らえる立場だと思ってるのか?」

「死なないから…構わないで…」

「へぇ、強気なんだな。さすが不死身の皇子の嫁ってとこか」



お願いリューク…。



早く助けて‼︎





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