ホームズの子孫はいつでも私を見つける
寂しさが込み上げてきそうになったその時、私の胸がドクンと音を立てた。それは、寂しさをかき消すほどの嫌な予感だった。

誰かに強く見られている気配がして、私はカフェの中を見回す。しかし、そこには幸せそうにスイーツやコーヒーなどを楽しむ人たちの姿しかない。しかし、鋭い視線は私に突き刺さっていく。

なぜか、怖くて体の震えが止まらなくなる。フランスに来れば安全だと思っていたけれど、今、自分を守ってくれる人はいない。自分で自分の身を守らなければならないんだ。

そのことを園子ちゃんに悟られないように、私は笑顔を作った。




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