御曹司に身分違いの恋をしました。


「母さんは黙ってて!」


するといきなりお母様が
「ごめんなさい」と土下座をした。


母がすぐに「やめてください
お立ちください」と
腕を掴んで立たせようとした。


それでもお母様は立ち上がろうとはしない。


「愛華さんを傷つける言葉を
言ってごめんなさい
許して 許して」


許して許してばかり。


「わかりましたから
立ってください」
今度は私がお母様の腕を持ち上げると
今度はお父様が
「君の傷つくことばかり言ったそうで
本当に申し訳なかった
自分からも頭を下げるよ
すまなかった」


「お二人とももうやめてください
あたしも今回のことは水に流します
お母様もあたしのような子が
居たって言うことは忘れてください
山口家にはご迷惑をおかけしません
これだけはお約束しますから」


「愛華さん・・・」


「母さん帰りましょう
それではお母様 お元気で」


さっさと私は入口へ歩いて行った。


ドアを開けようとした途端
ドアが開いた。


「山口さん・・・」


次に来たのが山口さんだった。


「どうしてここへ?
もう来ないでって言ったよね?」


「10時ごろ退院するって川相先生に
連絡もらったから」


なぜ電話した?
余計なことをする川相さんううん父親だ。


「お袋も親父も
早いじゃないか」


「先にね みんなが揃う前に
ひどいことを言ってしまったから
ちゃんと謝らなきゃと思ってね
愛華さんを傷つけて
本当に・・・私は・・・」
また泣きそうなお母様。


みんなが揃う前に?
何か企んでる?
まぁそんなこと私には関係ないわ!


「もうそんなこと言わないでください
水に流すと約束したでしょ?
本当山口さんももう来なくていいのに
心配しなくても今後山口さんが
結婚しようがどうしようが
あたしが現れたりしませんから
それがいちばん心配なんでしょ?
大丈夫ですからその件も約束します
母さん帰ろう」


泣いてしまいそうだから
早く退散しなければ。


すると山口さんは「ごめん」
私を強く抱きしめた。


「謝ること何もないですよ
悪いのはあたしだから」


< 67 / 80 >

この作品をシェア

pagetop