きらきら星に魅せられて
会場は満席だった。

学園1の実力者に素人ばっかりで挑むというのは見る人にとって興味深いんだろう。

テレビカメラもかなりの台数が置いてある。

そんな会場を見て更に緊張が高まる中、舞台袖で始まるのを待つ私たち。

「星羅。負けんなよ」

「わかってるわよ」

星羅ちゃんにそう声をかける惺くんのように舞台袖に応援に来る人も多々いる。

余計に落ち着くことが出来ない。

「紗夜」

「せ、惺くん」

他の人がいるというのに近づいてきた惺くんに驚く私。

「自分の演奏をしろ」

耳元でそう囁くと何事も無かったかのように去っていった。

.....惺くん。

先生が私に言ってくれていたその言葉、覚えていたんだね。

やっと落ち着くことが出来た。

その言葉はいつも私にとっての魔法だった。

ありがとう。惺くん。

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