鬼の目にも慕情
鬼の隊長とはよく言ったもの。
訓練を受けてたころから、柿原隊長が笑ったところなんて一瞬も見たことが無い。
常に眉間に皺を寄せてるもんな。
「そこ!ぼさっと走ってんじゃねーぞ!気合入れろ!
腕立て追加するぞ!」
「はい!」
ここでは、「はい」しか許されない。

雨が降ろうと槍が降ろうと、柿原隊長の命令があれば、走り込みを止めることはできない。
俺らに人権なんてあってないようなもの。

護衛人として、大切な人を守るために日々訓練してるなんて言えば聞こえが良い。
でも実際は…。
柿原隊長に怒られないように訓練してるようなものだ!
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