氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
#13 譲る気ない
#13 譲る気ない


 休み明けの月曜日は憂鬱だった。

 それもテスト期間中なら尚更のこと。

 だけど、

「おはよー!」
「おはよ。エリナ、テンション高くない?」
「そう?」

 アイツに会えるって思うとこんなに気持ちが晴れるんだ。

 ……気持ちは。

「めっちゃ雨降ってるね」

 外は、豪雨。

「こんな日は。ガソリンスタンドでの仕事も大変だろうな」
「ガソリンスタンド?」
「あ、いや。なんでもないよ!」

 沙里に、

『流れでキスしちゃったんだよねー』

 なんて言ったらビックリするかな。

 ――甘えたら?
 
 ……いいの、かな。

 でも。

 甘えるってなんだ……!?

「あー。わかった。当麻だ」
「えっ!?」
「アイツ、バイトしてるよね」
「……知ってるの?」
「知ってるもなにも。あたしのバイト先の、向かいにあるから」

 えーっ!?

「沙里のバイト先って。たしか」
「カフェだよ」

 そうか。

 二人は同中だから、家も近かったりするんだろう。
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