氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
#20 どこまでいい?
#21 どこまでいい?


「ムカつく……と。言われても」

 これは、あれだ。

 嫉妬というやつだ。

 確実に。

 アイツがわたしにヤキモチを妬いている。

「名前、出さなきゃ。話し辛い……よね」

 というか、そんなにイガラシさんの話をしてないと思うんだけど。

「こんな状況で落ち着いてんのも。ムカつく」

 こんな、状況……って。

「ギュッとされてるのに――ってこと?」

 それなら、めちゃくちゃドキドキしてますけど。

「それ以前に。ここ。どこかわかってんの」

 どこって。

 そんなの。

「あんたの部屋――だけど」

 わかってなきゃバカすぎる。

「テスト前だから。すんなり帰してやる」

 ……っ!?

「テスト前じゃ……なかったら?」
「我慢しない」

 アイツがわたしを抱き締める腕に、力を入れる。

「お前がこんな近くにいて。邪魔者もいない。わかるよな?」
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