氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。


 ◇


「俺が超エリートで超イケメンで抱かれたい男No.1って常識だよ? エリナちゃん」

 そんな常識ねえよ。

「だっ……抱かれ……」

 照れなくていいから、真柴くん。

「で。この芋っ小僧。誰」

 現在、わたし達は成澤の家の車でスケート場まで向かっている。

「なんでうちの車に中学生が乗ってるんだい? それも男児が」
「じ、自分は高校生っす!」

 もちろん氷上練習があるからだ。

「エリナちゃんと氷河を迎えにいくついでに乗せてやったけど。送迎するなら美人なお姉さんにしてもらいたいなー?」
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