氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 このままアイツは3本目のシュートをも決めてしまうんじゃないか。

 そんな考えが脳裏をよぎったけれど、

 当麻氷河のシュートはイガラシさんに完全に阻止されてしまい――……

「23本中入れられたのは96番の2本だけか」

 これにてGWSの練習が終わった。

「行くで」

 ゴウさんが会場から出ていこうとする。

「えっ」
「戻るんすか?」

 あとに続く後輩たち。

 彼らのチームとどこまで戦えるか、まったく想像ができない。

 願うのはひとつ。

 質の低い試合だなんて言わせたくない、と強く感じたとき。

 ――ゴンッ

「ご、剛さん!?」

 わたしと目が合って

 そのまま壁に直進して頭を打ったゴウさん。

 大丈夫……か?
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