氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
#38 酒と煙草とオンナ
#39 酒と煙草とオンナ


「元気ですねえ。こんな時間の練習にも顔を出すなんて」
「あなたが仕向けたんじゃないですか」

 深夜と言えばいいのか、朝と言えばいいのか。

 27時。もとい、3時にスケートリンクにやってきた。

「私はただ、面白そうなハナシを小耳に挟んだだけです」

 それってアイツとイガラシさんのことだよね。

 やるんだ。

 ……100本勝負。

「この時間でも予約とれることにビックリです」

 スケート場は24時間営業なの?

「スケートしてる人間からしたら――特にリンクが少ない地域では、この時間帯の練習は特別珍しくもないはずです」
「ホントに……?」
「このあとも早朝から予約で埋まっていることでしょう。このリンクですと土日には幼児から大人まで対象のスケート教室があったり、一般営業の後は、曜日によってフィギュア、ホッケー、スピードスケートチームの小、中、高校生と年齢が高いほど遅い時間帯に利用することになります。そうなると大学生が枠をとることができるのは必然的に深夜やこのくらいの時間帯になるかと」
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