氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 利用者は手軽な料金設定じゃなきゃ通えない。

 けれど、リンクはなるべく利益を出さなきゃ施設を綺麗にしたり、イベントなどを開催する以前に閉鎖に追い込まれる。

「どうやって利用者を増やしていけばいいんでしょう……?」
「そうですねえ。大会等の1日単位での貸しきりや、安定して利用してもらえる教室がある曜日はそれなりに収入源でしょうが」
「常にどの時間帯にも一定数の利用者がいるのが好ましいってことですよね。多くの人に、習い事や遊び場にスケートを選んでもらうしかないです」

 だけどフィギュア、ホッケー、スピードスケートを習ってた子は高校に入るまで身近にいなかった。

 ピアノやそろばん、スイミングなら多かったけど。

 北海道にはグラウンドにスケートリンクが作られる学校があると聞いたときは度肝を抜かれたが、そのくらい当た前のように身近になければスタートさせるのも難しくなくなる。

 やはり、練習場が少ないという理由だけでも、サッカーや野球、空手の練習とは始めるハードルが違いすぎる。
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