氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 メモアプリを起動させて、成澤に聞いたことを簡単に書き留める。

「6人で戦って。交代で試合は止まらない。ゴール裏と壁も使える……あれ? それって他のスポーツで聞いたことないかも」

 なんだか、すごく、わくわくする。

「メモとってるんだ?」
「うん。忘れないうちに」
「そんなに気に入っちゃった?」
「他にも知っておいた方がいいことってある?」

 成澤を見つめる。

「ほんと。隅に置けないよねえ」
「え?」
「俺がイロイロ教えてあげる」
「お願いします!」

 サイコパス成澤が、頼もしく見えるよ。

「それじゃ。朝まで一緒にいる?」
「……は?」
「アイスホッケー以外にも。知らない世界見せてあげる」

 いつの間にやら、肩に手を回されている。

「ベッドの上で」
「見るかッ……!!」
「あはは。毎日連絡するねー。モーニングコールして欲しい? オヤスミって君の声で聞けたらいい夢みられそうだな〜」
「教えるんじゃなかった!」
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