あなたの隣にいてもいいですか
7.気難しいエリート
土曜日になり、航生さんと待合せして一緒にクッキングスタジオに向かう。お料理をしている間、お待たせしちゃうから後から来てくれてもいいよ、と伝えたものの、一緒に行くとのことだった。

待ち合わせしてすぐに、航生さんが頭痛がすると言っていたので、今日はやっぱり戻って休もう、と提案したのだけど大丈夫だから、と言って、家に帰ろうとしない。

じゃあ少し休もうと提案し、カフェで二人で休むと
航生さんはテーブルに突っ伏してしまった。

「やっぱり辛そうだから、今日は帰ろう」

「ん~、大丈夫。
 少しこうしてたらおさまるはずだから」

「どこが痛いの?後ろの方?」

と言って頭を触ろうとすると

「やめて」
と言いながら、身をよじる。

私も手を引っ込めて黙るしかない。

「今日のそれって、どれくらい時間かかるの?」

「多分、二時間近くはかかると思う。
 ねえ、やっぱり無理しなくていいよ。帰ろう」

「ふんっ。せっかくここまで来たのにそれは無いでしょ」と鼻で笑いながら、またテーブルに突っ伏した。

待合せしたときから、ずっと機嫌が悪い。頭痛がするからだと思っていたけどそもそも来るのが嫌だったのだろうか。決して無理には誘っていないんだけど・・・誘われたら行くしかない、と思ってくれたんだろう。誘わなけえればよかったかな。

10分ほど突っ伏していたら、急に

「行こうか」

と立ち上がり、レジに向かう。航生さんの背中に向かってもう一度

「大丈夫?」と聞いてみるが、私のほうを見ずに
 
 「うん」と言って黙ってしまった。

あまりしつこく言いすぎるのもな、と思い私も黙ったままでいた。

そんなに機嫌が悪くなるくらいならなぜ来たんだろう。私は断ってくれても、怒ったりしないのに・・・私が不機嫌になると思ったのかな。
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