闇色のシンデレラ
荒瀬さんの視線の先の彼らを見た。


二人とも、未だに口を開けた間抜け顔がシンクロ。


荒瀬さんが笑うことがそんなに珍しいのかな。




「……おい」



そこに荒瀬さんの低い声が入り、空気が張り詰める。


たちまち彼らははっとして表情を改め、茶髪の男の人が軽く会釈した。



「初めまして壱華様。若頭補佐に務めております、荒瀬颯馬(あらせそうま)です。どうぞ、よろしくお願いいたします」



丁寧な言葉遣いに柔らかな物腰。


荒瀬さんと同じく綺麗な男の人だと思った。


それと、荒瀬という名字にピンときた。


確か、帝王の側近頭で若頭補佐の兄弟がいるって聞いたことがある。


だから似てると思ったんだ。




「初めまして。側近の川上剛(かわかみつよし)と申します。以後、お見知りおきを……」



続いて、礼儀正しく深々と頭を下げる強面の人。


この人が剛さん、か。


わたしが車を壊したことに腹を立ててるって聞いた。


後できちんと謝ろう。
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