独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする

「これはどうですか?」

おいしい料理を堪能した後に案内されたドレスルームで、樹さんが顔をしかめた。

「胸もとが開きすぎるからダメ」

どうやら、私が選んだビスチェタイプのドレスが気に入らないようだ。

「じゃあ、これは?」

「肩が出すぎ」

次に選んだオフショルダーのドレスの前で腕組みされたら、いい気分ではいられない。

「もう……」

唇を尖らせながら引き続き選んでいると、樹さんが一着のドレスを手に取った。

「華、これなんかどう?」

「あ、かわいい……」

フレンチスリーブのプリンセスラインのドレスに目を奪われてしまう。

「きっと華に似合うよ。着てみて」

「はい」

ドレスを受け取り、ドレッシングルームに向かった。

< 179 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop