アンバランスな愛情
呼び鈴が鳴った
玄関の向こうに
客人がいるようだ

俺は桜さんを見た

出る様子はない

苛々して
ぶつぶつと不満を漏らしていた

俺はふうっと
ため息をつくと

玄関に向かった

ゆっくりドアを開けると
目の前で

男が警察手帳を見せた

「ちょっといいですか?」

「はあ…」

俺はドアの向こうにいる
3人のスーツの警察官を見た

「谷山 桜さんはいらっしゃいますか?」

「ええ、いますけど」

警察が
桜さんに何の用事だろうか?

桜さんが
警察の世話になるようなことを
したのだろうか

さっきの苛々は
それに繋がるのか?

「呼びますか?」

「いえ、あがっても
いいですか」

「どうぞ」

俺は警察官を家にいれた

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