アンバランスな愛情
光ちゃんの新生活

アパート到着

光ちゃん、車買ったんだ~」

駅まで迎えに来てくれた光ちゃんに
私は笑顔で言った

「不便だから
車がないと、ね
親に買ってもらったよ」

「へえ~
車の内装は
彼女の好み?

光ちゃんっぽくない」

「まあ…ね
乗るたびに小物が
増えていくんだよね」

「やっぱ…彼女
いるんだ」

少しショックかな
光ちゃんは
お姉ちゃんが好きだと
思ってたから

遠く離れても
お姉ちゃんを想ってくれてると
思いたかった

「私が来ても平気だった?」

「平気だよ」

「本当に?」

「本当に」

「デートとかは?」

「大丈夫だよ
知り合いの子が来るって
話してあるから」

「そっか」

光ちゃんの恋人って
どんな人だろう

綺麗で物わかりの良い人なのかな?

お姉ちゃんと似てる?
それとも
似てない人を選んだ?

どうして付き合おうと思ったの?

光ちゃんはその人のこと
好き?

私は光ちゃんに
たくさん
聞きたかった

でも聞いちゃいけない

光ちゃんだって
傷ついてるはずだから

好きな人に
振り向いてもらえない気持は

すごく
辛いのを私は知っているから

私は車から見える窓を
黙って見つめた
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