アンバランスな愛情
昼休み
私はすぐに下駄箱に向かった

悪戯であってほしい

何も起きなければいい

そう心の中で呟きながら
廊下を走り
階段を下りて

職員用の下駄箱に向かった

人の気配は
感じられなかった

ここに何かあるのか

それともこれから
手紙を置いた本人が
やってくるのか

私は警戒しながら
下駄箱の棚の間を歩いた

革靴の臭いがこもっている
ちょっと良い空気とは言えない

ゆっくりゆっくり
歩を進めていくと

瑛ちゃんの靴箱に
白い封筒が入っていた

その白い封筒には見覚えがあった

今朝
私の机の中にあった手紙を全く同じ
サイズの封筒だ

私は
人の気配がないのを確認してから

封筒を手にした

厚みがある
重みもあった

封のされていない
封筒をあけると

写真が入っていた

一枚だけ
私と瑛ちゃんが
保健室内で抱き合っているシーンだった

カーテンの隙間から
撮ってあるようで

写真の両側には
カーテンがうつっていた

いつの間に?

いったい誰がこんなこと

私はまた周りを見渡した

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