アンバランスな愛情
杉田の顔つきが変わった

「被害届を出すってことは
先生とすみれの関係を知られるってことだよ?」

「構わないよ
俺はスミレが好きな気持ちを隠すつもりはない

学校中に知れて
退職になっても構わない

ただスミレを傷つけた
君にもそれなりの責任をとってもらうよ」

俺は杉田を睨んだ

そしてすぐにほほ笑む

俺は弱いけど
スミレを傷つけるヤツは絶対に許さない

「夕方、俺は警察に行く

それまで答えを出しておくように」

俺が言うと
杉田は悔しそうに
保健室を出て行った

さあ
どうする?

夕方までに何を事を起こすか

それとも今後一切
今までのような真似はしないと言いにくるか

何の音沙汰もなしか

選択肢はいくらでもある

その中から、
何をチョイスするのか

俺は夕方まで待っているよ
杉田圭吾くん
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