舞い踊る炎使い



教室は、何事も無かったかのように綺麗だ。隣のクラスでは、今起こっていることを知らずに授業が進められていた。

辺りを見渡して、俺は目を閉じ、悪霊の気配を探る。いつもの気配に比べ、異常に大きい気配が1つ。俺はそっと目を開けた。

「不知火!」

先生が、髪飾りとブレスレットを持って来る。俺はそれを受け取り、頷いた。能力を使って、ブレスレットを羽織に変え、髪飾りを髪に付ける。

「……よし。行くか」

俺は、教室を飛び出した。



「火神よ、舞い踊れ。炎天の舞」

どこかの建物の中を走りながら、自分自身を炎に包み、加速して悪霊を一掃していく。時間切れになり、減速して大きな悪霊の前に止まった。

「……き、貴様は……」

「このクラスの1人、不知火 燐だ」

俺が自己紹介をすると、後ろから「え……?」と言う声が聞こえる。

「説明は後だ」

後ろを向き、俺はクラスメイトの皆を見た。すぐに、悪霊に目を移す。

「……それで、何で悪霊が皆に手を出す?俺だけで十分だろ?お前の目的は、一体……」

「……俺の目的か?それは、お前を倒すことだ。俺の仲間を、殺しやがって……」

「……仲間?あぁ、もしかして……悪霊のことか?」

「それ以外に誰がいる?それで、俺は将宏とやらが、お前の持つ髪飾りとブレスレットを盗んでくれたから、この方法が思いついたんだ!」
< 16 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop