影を拾った太陽ー番外編ー
十分ほど待って、光凛は家から出てきた。
慌てて用意したのか、息が上がっている。
そんなに慌てなくたって、予定より大分早いのに。
「よし、行く……か」
光凛の出てくる音が聞こえ立ち上がり振り返ったその時、俺の思考が停止した。
いや、もっと詳しく言うと思考停止というより体が固まった。
可愛すぎじゃね?ワンピースにニーハイとかありかよ。しかもヒールを履き慣れてないないのか、よろめきながら俺に寄って来る。
やべぇ、可愛すぎる。
「どうかした?もしかして変だったの?」
不安そうに上目遣いで聞いてくる姿、とかもう反則だから。完全アウトだろ、こんな。
今日心臓持つか、これ。
「愛依に選んでもらったけど、やっぱり似合わないよねぇ。ごめんね、変な格好で来ちゃって。やっぱり、今すぐ着替えて……」
家にもう一度入ろうとした光凛の腕をとっさに掴んだ。
どれだけ待たせたら気が済むんだ。
いや、そうじゃなくて。
着替える必要なんかねぇっつの。
「似合いすぎ。可愛すぎて、理性ぶっ飛ぶかと思った」
ほんっと、もっと自分の可愛さを自覚して欲しいもんだ。
何でここまで気づかないのか、ものすごく疑問だ。