影を拾った太陽ー番外編ー
「マジか」
会場に着いて、今すぐ帰りたい衝動に駆られた。
こんなに人が多いもんか?
ある程度覚悟はしていたが、まさか前が見えないほど多いとは思わなかった。
世の中にはこんなにカップルがいるのか(俺らのその中だけど)。
「す、凄い人だね。叶斗大丈夫?」
何で俺の心配してんだよ。
どっちかと言えば、自分の心配をしろ。ドジなんだから。
「俺の心配する前に、自分が迷子になる心配しろ」
それに彼女に心配されるとか、男のプライドが落ちる。
「ま、迷子になんてならないもん!私子どもじゃないんだから!」
まるで子どものように反論する光凛が可愛くてもっとからかいたくなる。
俺の言動で一喜一憂するこいつが、愛しい。
「ふっ。どうだかな。現にさっき俺が手繋いでなきゃはぐれかけただろ」
会場に着いた直後、人込みに流されてはぐれそうになった。
俺がとっさに光凛の手を掴んだから良かったけど、あのまま気づかなかったら今頃はぐれていたぞ。
「うっ。そ、それはそうだけど……」
「安心しろ。絶対この手、離さねぇから」
今日だけじゃなくて、これから一生な。
なんて、付き合いたてなのに重いか?
でも、俺は一生こいつと添い遂げたいと思っている。
もし、他に好きな人ができたって言われてもまた振り向かせてみせる。
絶対、他の男になんかやらねぇ。
「うん。私も、離さないで欲しい」
照れながらギュッと俺の手を握ってくる光凛を、抱きしめた。
周りに見られていたって、どうでもいい。
どうせ、カップルだらけなんだし他にもこういうことやっている奴らはいっぱいいんだろ。