世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
そんなことを考えると顔が熱くなっていくから、ぶんぶんと首を横に振って考えることをやめた。
今は新しい部屋見るんだ…!!
ドアノブに手をかけて、ガチャリとドアを開ける。
そこは日当たりのいい広い部屋で、ここにも大きな窓がついていた。
こ、ここの部屋も広い…!!
続いて他の部屋も見ると、似たような部屋が二部屋あった。
「俺の部屋、花莉の部屋、寝室」
私の隣に来て、順番に部屋を指さす詩優。
それから詩優は「あっ」と思い出したかのように声を上げて、何事かと思ったら
「もちろん寝室のこと忘れてねぇよな?」
確認するように私の顔を覗き込んでくる。
“寝室のこと”
というのは…寝室を同じにする、ということだろう。前に一緒にするって約束したから、もちろん覚えている。
「お、覚えてるよ」
そう返せば詩優は
「新生活のルールも忘れんなよ?」
なんて言う。
ここに来る前に決めた新生活のルール。それももちろん覚えている。