世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ



「ヘルメットはそれ被ってね!!」

「明日葉は…?」



心配で聞いてみる。
詩優はよく私にヘルメットを貸してくれて、自分は被らないことが多いから…。



「そこまであたしもバカじゃないからちゃんと被るよ!!」




明日葉はバイクのハンドルにかかっていたもうひとつの黒いヘルメットをとって、自分で被る。

それなら安心。
私もヘルメットをありがたく貸してもらって、被った。




「ちゃんと掴まっててね!」




そう言われて、明日葉の腹部に手を回して落ちないように掴まる。




「それじゃあ出発!!」




バイクのエンジンがかかり、走り出すバイク。





ぎゅっと強く明日葉にくっつくと、甘いいい香りが鼻腔をくすぐった。




明日葉は詩優と違って細くて、筋肉の付き方も全然違くて、詩優とは違う甘いいい匂い。
っていうか明日葉細すぎじゃ…。いつもいっぱい食べてるのに、いつ見ても細い。




す、すごすぎる…。
私も明日葉みたいに細くなれるように、今日たくさん動こう。




泳ぎ方を教えてもらって……
それでも泳げなかったら……プールの中でせめて歩くだけでもしよう。


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